実家と、離れられないままでいると
■ 二十数年前に、聞いた話です
私がまだ二十代の頃ですから、もう23年か、25年ほど前のことになります。
当時 付き合いのあったお友達の話です。
その方は結婚しておられて、ご主人と二人で暮らしておられました。
ただ、実家から離れられなかったのですね。
離れきれない、という言い方のほうが近いかもしれません。
いつも実家に帰っておられました。
お母さまと一緒にいるのが、好きだったのだと思います。
■ ご先祖様が怒っている、と言われました
その方が、チャネリングの先生のところへ行かれたそうです。
そこで、こう伝えられたと聞きました。
ご主人の側のご先祖様が、よく思っておられない。
実家のほうばかりに向いているから、ここが切れていない。
すごく怒っておられる、と。
その後、その方が何かを改められたかどうかは、私は知りません。
ただ、そのあと、ご実家から遠いところへ引っ越さざるを得ない形になりました。
それが良かったのか、悪かったのかは、分かりません。
私はまだチャネリングをほとんどしていない頃でしたから、その時は何も分かりませんでした。
ただ、こういうことがあるのか、と驚いたことだけ覚えています。
この話が、今もずっと私の中にあります。
■ 私が見ているのは、そこではありません
先に申し上げておきますね。
私は、ご先祖様が怒っているから気をつけましょう、というお話をしたいのではありません。
ご先祖様かどうかは、関係ないと思っています。
私が見ているのは、もっと手前のところです。
親子の縁が、きちんと分かれていないこと。
そこです。
■ 離れられない親子は、けっこう多いのです
依存したまま、つながっている親子。
とくに、お母さまと娘さんに多いように思います。
仲が良い、というのとは少し違います。
離れられない、のです。
そしてこれが強いと、ご夫婦のほうに影響が出てきます。
つながりが、そちらばかりに強くなってしまって。
今 目の前にいるご主人のほうを、大事にできなくなる。
ご主人との関係が、だんだん薄くなっていきます。
■ 一緒に住んでいるかどうかではありません
ここは、誤解のないようにお伝えしたいところです。
同居しているから自立できていない、ということではありません。
離れて暮らしていても、心がずっと実家に向いたままの方もおられます。
同じ家で暮らしていても、親は親、自分は自分、と分かれている方もおられます。
見ているのは、住んでいる場所ではなくて、心のほうです。
■ 物差しが、二人ぶん同じになります
これには理由があります。
親子は、長いあいだ一緒に暮らしてきています。
だから、物差しがもともと同じなのですね。
ご主人が育ってこられた環境と、ご自分が育ってきた環境は、まったく違います。
ところが親子のあいだでは、その物差しが当たり前になっています。
その当たり前の目で、お二人でご主人を見てしまう。
そうすると、どうしても、ご主人のほうが間違っているように見えてきます。
■ 2対1になってしまいます
こうして、2対1の関係ができあがります。
お母さまと娘さんが一組で、ご主人が一人。
それが強くなっていくと、お二人のあいだに溝ができます。
これは、私が本当によく見てきたことです。
男性の側にも、同じことは起こります。
ご実家と離れられないまま、奥さまが一人になっていく形です。
■ 仲が良いことが、悪いのではありません
ここは、はっきり申し上げておきますね。
お母さまを大事にすることが、いけないのではありません。
実家に帰ることが、悪いのでもありません。
ご自分を責めないでくださいね。
そういうふうに育ってこられただけで、選んでそうなさったわけではないと思います。
■ いい意味での、一線
必要なのは、線を一本 引くことだけです。
自分は自分。
お母さんはお母さん。
子どもは子ども。
切り離す、ということではありません。
どこが自分の場所かが分かっている、ということです。
そこが分かっていると、かえって楽に会えるようになります。
■ どうして、そうなったのか
ただ、頭で「線を引こう」と決めても、たいてい元に戻ります。
なぜなら、そうなった理由が、ずっと前にあるからです。
小さかった頃、お母さまとのあいだで何があったのか。
どこで、離れられない形ができたのか。
そこを見ていくのが、インナーチャイルドヒーリングです。
見直していくと、共依存ではない、フラットなところへ戻っていきます。
そうすると、線は自分で引けるようになります。
我慢して距離を取るのとは、まったく違うものです。
そして、これも同じです。
インナーチャイルドが癒えると、同居していても、親は親、自分は自分、となります。
家を出る必要はありません。
変わるのは、心のほうです。
■ 思い当たる方へ
もし、今のご夫婦のことで思い当たられたら。
ご主人のことも、お母さまのことも、いったん置いてみてください。
見るのは、ご自分のところだけで大丈夫です。
そこがフラットになると、まわりのほうが先に変わっていきます。
ご自分では難しいときは、一緒に見ていくこともできますので、いつでもお声かけくださいね。



